もくじ
ゴールボール競技の歴史
ゴールボール競技は、第二次世界大戦で視覚に傷害を受けた傷痍軍人のリハビリテーションの効果を促進するために考案されたリハビリテーションプログラムの一つでしたが、1946年にオーストリアのハインツ・ローレンツェン、ドイツのセット・ラインドルの両氏によって競技として紹介されたのが始まりとされています。
パラリンピック大会には、1972年にハイデルベルグ大会(当時西ドイツ)で公開競技、1976年にトロント大会(カナダ)で正式種目となり、1978年にオーストリアでワールドチャンピオンシップが開かれ世界的に広まっていったとされています。
その後、2002年アジア・太平洋地域の障害者スポーツ総合大会であるフェスピックブサン大会において実施競技として行われ、フェスピック(極東南太平洋身体障害者スポーツ大会)は、現在アジアパラ競技大会となり引き継がれています。現在、IPC(国際パラリンピック委員会)の加盟団体であるIBSA(国際視覚障害者スポーツ協会)の公認競技となり、またパラリンピック大会夏季大会20競技の一つで、視覚障害者の正式種目(球技)として行われています。
競技の概要
この競技は、アイシェード(目隠し)を着用した1チーム3名のプレーヤー同士が、コート内で鈴入りボール(1.25kg)を転がすように投球し合って味方のゴールを防御しながら相手ゴールにボールを入れることにより得点し、一定時間内の得点の多少により勝敗を決するものです。
ルール(2014年から2017年ルール、抜粋)
2014年からの主な変更点
- サードタイムスロー(同一選手が3回以上連続で投げるとペナルティ)がなくなりました。
- 10秒(テンセカンズ)が、守備をしてからボールを投げ終わるまでではなく、投げ終わったボールがセンターラインを越えるまでとなりました(以前より早く投げないと10秒となる)。
- ボールオーバーが、センターラインだけでなく、ニュートラルエリアのサイドラインを越えた場合も含まれるようになりました。
- チームエリアが広くなりました(以前のチームアエリアとランディングエリアを合わせた9m×6mがチームエリアとなる)。
- チームタイムアウトとチームサブスティテューションが、前後半を通じて計4回となりました(その内1回は前半で取らないといけない)。
試合時間
- 正規時間(レギュラータイム):12分ハーフ(前半12分・後半12分)、ハーフタイム3分
- 延長戦(オーバータイム):正規時間内で同点の場合は延長戦を行う。3分ハーフ(前半3分・後半3分)、ハーフタイム3分のゴールデンゴール方式(どちらかが得点した時点で終了)で行う。
- エクストラスロー:延長戦でも決着がつかない場合は、1対1のエクストラスローで勝敗を決める。
リオ2016パラリンピック競技大会 女子日本代表選手
ゴールボール 9月9日~17日
ゴールボール「女子予選」対イスラエル9日(金)13:05~15:00<NHK総合>放送予定(録画)
ゴールボール「女子予選」対ブラジル10日(土)13:05~15:00<NHK総合>放送予定(録画)
ゴールボール「女子予選」対アメリカ12日(月)4:00~5:30<NHK総合>放送予定(録画)
ゴールボール「女子予選」対アルジェリア13日(火)13:05~15:00<NHK総合>放送予定(録画)
出場選手
浦田理恵・安達阿記子・小宮正江・天摩由貴・欠端瑛子・若杉遥
キャプテン 浦田理恵
1977年生まれの福岡県出身
20歳の頃に「網膜色素変性症」により失明
網膜色素変性症とは・・・
「徐々に視野が狭くなり、視力を失うこともある遺伝性の病気で、治療法は確立されていない」
20歳過ぎて急激に視力低下し、左目の視力はなく、右目も視野が95%欠損しており強いコントラストのものしか判別できない。
12年、ロンドン・パラリンピックで金メダルを獲得。
安達阿記子
1983年生まれ、福岡県出身
平成14年、黄斑変性症を発症。
18年に福岡視力障害センターに入所してゴールボールに出会う
黄斑変性とは?
黄斑変性(おうはんへんせい)は、加齢が原因で起こる眼の病気ですが、早い方では40代で視界がゆがんだり欠損して見える病気です。
小宮正江
小宮正江 1975年生まれ福岡県出身
小学生の時、『網膜色素変性症』を発症。
将来見えなくなると宣告され、通常の生活を送りながら視力低下を受け入れていく。12年、ロンドン・パラリンピックでキャプテンを務め金メダルを獲得。
網膜色素変性症とは?
カメラで例えるとフィルムの役割をしている網膜に異常をきたす遺伝性、進行性の病気です。暗いところで辺りが見えにくくなる「夜盲(やもう」や視界が狭くなってくる症状から始まり、病気が進行していくにつれて視力が低下していく病気です。
天摩由貴
天摩由貴 1990年生まれ青森県八戸出身
弾むバウンドボールを得意とする天摩
生まれつき視覚に障がいを持ちながら学生時代に陸上競技を始め、ロンドンパラリンピックにも出場。その後ゴールボールに転向し、昨年韓国・インチョンで行われたアジアパラ競技大会に女子日本代表として出場。銅メダル獲得に貢献しました。
欠端瑛子
欠端瑛子 1993年生まれ神奈川県横浜市出身
先天性白皮症により生まれつき視力が弱かった。友人がゴールボールの選手であったことがきっかけで、ゴールボールを始める。父親は元プロ野球選手の欠端光則氏である。
先天性白皮症とは?
アルビノと呼ばれ、先天的な遺伝子の欠陥によりメラニン色素が欠乏することによって起こるもので、動物全般に見られる症状です。メラニン色素が欠乏しているため皮膚や体毛は白く、瞳孔は毛細血管が透けて見えるため赤色をしています。
動物では、神話に出てくる「因幡の白兎」や白蛇(アオダイショウのアルビノ)などが有名ですよね。白色の動物は、その美しさや珍しさから「神の使い」として崇められ、古来から信仰の対象とされてきました。
若杉遥
若杉遥 1995年生まれ福岡県出身
中学時代に視力意を失い全盲となった。
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